ここでは、今一度よく利用されているOracleを確認し、Redstoneがどのような立ち位置に属するかを見てみます。
全部見ると限りないので、TVSがRedstone以上のものを見ていくことにします。
情報としては、2024.04.20のものになります。
情報としてはDefillamaと最近RedStoneの公式でもRTされていた記事を参考にしています。
pushとpullの違い
push型オラクルはデータ提供者が自身のタイミングで送っているため、データが常に最新であるとは限りません。
pull型オラクルでは、スマートコントラクトを実行する最中にリクエストを行うことでデータを取得します。txが増えるたびに利用価格が上がってしまうのがデメリットですが、常に最新のデータを取得できます。
全体像
Chainlinkが45.33%と圧倒的なシェアを占めています。
- Chainlink(pull, push)
TVL: $21.68b、利用プロトコル377、対応チェーン19
老舗のAAVEから非EVM(Solana、Starknetなども含む)何までとカバー範囲が広いのが特徴的で、サービス自体も多岐にわたっています。
Restakingを利用したサービスはEigenpieだったり、data streamはまだarbitrumだけと、最近の動きとしてはCCIPに注力している印象を受けます。
CCIPによって、独自のブリッジソリューションを構築することなく、単一のインターフェイスからブロックチェーン間でトークン転送ができる他、ユーザーが1つのブロックチェーンに担保を預け、別のブロックチェーンで資産を借りられるようにするクロスチェーン融資アプリケーションの起動も可能になるとのこと。(https://news.yahoo.co.jp/articles/5e601bc3ecbe00e21f8b610177079547f1bfcb4e)
Chronicle(Scribe)
TVL: $8.127, 利用プロトコル3, 対応チェーン1
Ethereum初のオラクルで、MakerDAOエコシステムを独占している単一のオラクルです。
によれば、Polygon zkEVMに対応すると表明しており、他エコシステムに拡大する動きもあります。他オラクルと比較して、60%のガス代削減、Chainlinkと比較すれば80%削減とのことで、他に展開することで影響がますます強くなるように思われます。
Optimistic Schnorrという新しいアルゴリズムを通じて、スケーラビリティを実現する。 Schnorr署名は、ビットコインを保護するために使用される暗号化署名集約スキームである。任意の数のフィードからの価格データを単一のSchnorr署名に圧縮できる。トランザクションコストが主にイーサリアムに公開するデータから発生するL2ブロックチェーンに最適である。
そして、Optimism方式を採用することでSchnorr署名を検証せず、標準ECDSA署名の形式で正しいという約束を検証する。
これによって、60~80%のガス削減を実現しているとのことでした。
WINkLink
TVS: 7.298b チェーン: 1 利用プロトコル: 2
TRONでよく使われているオラクルです。価格フィード、オフチェーンデータ、乱数(VRF)を提供しています。
私自身がTRONに馴染みがないので全くわかりかねますが、Githubの更新が2023/2、TwitterがRTばかりとあまり活発ではないように思われます。
Pyth(pull)
TVS: 4.187b 対応チェーン55
価格フィードのみを提供しています。Solanaだけで3b以上占めており、Solana圏でよく使われています。その他チェーンでもLendingやDerivativeに使われていたり、最近台頭してきたOracleの1つです。Solanaなのもあり速度が重要視されるため、多少の分散化は犠牲にしています。
対応チェーンの数が55と、この中では圧倒的です。EVM、非EVMやCosmos圏でも幅広く使われており、今トレンドのオラクルの一つと言って良いでしょう!
Switchboard
TVS: 1.441b
価格フィード、オフチェーンデータ、乱数(VRF)を提供しています。
見た目は大きいですが、中身を見るとkamino、solendなどPythと併用して使われているOracleのような位置付けになっています。
複数のオラクルを利用することで、データの正確性や可用性は高まりますが、誤りがあるデータがある場合にどちらを信用するかなど、複雑性が増すため、信頼度としては高いように思えます。
TVSが大きい理由の一つにエアドロップ期待のポイントが実施されています。そのため実態はよくわかりません。
RedStone(push,pull)
TVS: 860m 対応チェーン30
RedStoneは暗号通貨、株式、通貨、コモディティ、家畜の市場データなど、さまざまなデータフィードを提供し、特殊なデータタイプにも柔軟に対応しています。
DeltaPrimeから始まったオラクルです。こちらはPendleのようなYield大手からJuiceのような最新チェーンのBlastのようなlendingまでカバーしています。
データの保存先にArweaveを選択していたりと、分散性を意識した部分が垣間見れます。
LST/LRTのプロダクトによく利用されています。これからのLST/LRTのトレンドを担うオラクルに間違いありません。
pendle dominationが約96%となっていますが、これはバグかと思われます。それでも、LST/LRTのトレンド部分が大半を占めているため、このトレンドが終わってしまうと大きくシェアを減少させてしまうリスクがあります。
まとめ
オラクルはまだChainlinkの覇権は根強いですが、それとは別に新たなプロジェクトが続々と現れています。競争によってユーザーは利益を得られるので、これからも優れたプロダクトに期待したいです。
(参考資料)
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